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もつれた糸はどうやって解すのか?

かつて、同じ夢を追いかけていた“同志”

その関係が深ければ深いほど、ちょっとした擦れ違いがやがて、

もう修復出来ない程の溝を作ってしまうのか……。






明日、9/26全日本プロレス 横浜文化体育館


鈴木みのる VS 船木誠勝



かつての盟友、

我々外野の人間には分からない、複雑な感情がぶつかり合う。




とんとプロレスが分からない人にザックリと説明すると…

※以下、長いので興味ない方は飛ばして下さい。


鈴木と船木は共に新日本プロレスに入門して
レスラー人生をスタートさせている。

年齢は同じ(同級生)だが、中卒で当時、最年少デビューした船木に対して
鈴木は、横浜高校でレスリングの実績を積んでから入門しているので、
プロとしては船木の方が先輩にあたる。

二人は純粋にプロレスラーとしての強さを追求し、
レスラーとしての向上心から、藤原善明(組長)に師事し、
以後、理想のプロレスを追い求め、新日本〜UWF〜藤原組と渡り歩き、
最終的に自分達の団体“パンクラス”を立ち上げる。


当時、パンクラスは今までに無いプロレスを標榜し、
まったく新しいプロレスを体現した。

船木、鈴木を始めとして選手達は一切の贅肉を削ぎ落とし、
研ぎすまされた肉体で相手の技を受ける事を拒み、より格闘技色を強める一方、
会場内ではエンターテイメント性を重視して、
“オシャレな格闘イベント”として人気を集めた。

草創期のパンクラスを2〜3度観戦したことがあるが、
それまでのプロレスにあった、ある種の曖昧さを排除し、
スピード感溢れる戦いは非常にスリリングで面白かった。

そのパンクラスに於いて、船木・鈴木は両雄として団体を牽引していった。

やがてパンクラスはルールを事細かく進化させて行き、
現在は『総合格闘技団体』となっている。

その後船木は、当時400戦無敗といわれたヒクソン・グレイシーに、
日本の最後の砦として挑んだが、敗れて引退。
以後、パンクラスのアドバイザーとして団体に籍を置くが、
俳優活動なども始め(Dr.コトーとか出てた)団体からも退団する。

一方鈴木は、進化して行く総合格闘技の中で、
台頭してくる若手の突き上げにも対応できず、またケガに悩まされ
次第に存在感が薄くなっていく。

この頃から、両者の間に微妙なスレ違いがあったようだが、
当人同士にしか分からない複雑な感情が在ったようだ。

それから鈴木は総合格闘技の世界から、古巣のプロレスのリングに帰ってくる。
“世界一性格の悪い男”としてのキャラで存在感を示し、
今ではフリーの選手として、全日をはじめ数多くの団体で活躍中だ。

船木は一昨年、総合格闘技のリングに7年振りに復帰していたが、
先日、全日本プロレスの武藤敬司選手の25周年記念試合のパートナーとして
プロレスのリングに20年振りに復帰し、全日本とも1年間の選手契約を結んでいる。



新日本のリングでデビューし、切磋琢磨しあいながら
お互いを認めあい、同じ夢を追いかけて来たもの同士。

途中まで同じ道を歩んできたのに、何がズレたのか?
たぶんチョットした感情のもつれなのだろうが……

これは、ただのプロレスの試合じゃない。
人間と人間の生き様、アイデンティティーのぶつかり合いだ。

これが面白くない訳が無い。



リングで、殴り合い蹴り合い、投げ飛ばしあい、関節を極めあい、

お互いの人間力をぶつけ合う。




似たような話、どこにでも転がってる。

リングで殴り合えるだけ、レスラーの方がスッキリするんじゃない?

一般人なら、もつれた感情はもつれっ放しで、

もう会う事もないかもしれないじゃん?


人間は『会う』ことでしか解決出来ないものがある。



レスラーならばリングで向かい合う。



とにかく、明日の鈴木みのる VS 船木誠勝 楽しみです!



せば、まんずのぉ!
by ks-drive | 2009-09-25 21:58


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